MY MOM
carleerouでRUKAの初個展「MY MOM」を開催してからはや1年が経ちました。
この個展では、オーストラリアのメルボルン滞在中だった2018年の一年間に描かれた主にRUKAのママをモデルにした作品たちが並びました。
↓RUKAの作品と一緒に添えられた言葉達です。
ママみたいに着こなしたい。
着るんじゃなくて着こなしたい。
ママのお腹からやって来たけれど
不思議なことに
私はママと全く違う人間見たい。
肌の色、くちびるの形、髪の毛の硬さやうねり具合
お肉のつき方まで違う。
気分が上がる服の色やしっくりくる服の形も
頭の中まできっと何もかも違うね。
ママから8229㎞離れてやっと気づいたよ。
だからママがcoolで素敵に着こなしている服たちを
全く同じに私が着たとしても
coolで素敵になるとは限らない。
自分にしっくりくるとも限らない。
他人がしていることを見ていいなぁと思ったことも
実際自分がそれをしてみるとなんか違うなぁと思うこともあるんだね。
coolで素敵に見えちゃう。
そんなママにもコンプレックスがあることを知ってる。
でもね
ウサギみたいなお尻も
ばぁちゃんに似た触るとぷにぷにの白い腕も好き。
ママはバカにしてるだろうと思うだろうけれど
手に届くところにあったならついつい触っちゃうよね。
私も私を全部包み込んでそんな風に思えたらいいのに。
ママは揺るがない自分の着こなし方を知っている。
どの服をどのように着たらしっくりくるのかを知っている。
ママから8299㎞離れた古着屋やアンティーク屋。
ただただ目をちらつかせて店をあとにする私は思う。
ママなら埋もれているモノたちの中からでも
自分にしっくりくるモノたち探し出して
おうちに連れて帰って大切にするだろうなって。
ママの直感的な揺るがない好きを貫くところが憧れる。
オレンジやブドウの農場が広がるオーストラリア、ヴィクトリア州にあるミルデューラ。
そこに一度だけ行っただけだが忘れることのないカフェがある。
アンティーク風の可愛らしいお皿とカップで頂くケーキとコーヒー。
白い塗壁にチョークでメニューが書かれた大きな黒板。
選ぶのに迷っちゃうケーキたちが並ぶガラスケース。
カフェスペースの横にはたくさんのアンティークの小物や家具がきれいに並べられ販売されていた。
お会計の時、年配の女性の店員さんに「このカフェのインテリアとても素敵ね」と伝えると、彼女は内装は彼女自身で行ったと教えてくれた。
そして「ここで働くのが大好きよ。」と答えた。
その言葉を聞いた時、私もその言葉を言える人になりたい、今はまだその言葉を言えない自分であることに気付いた。そして同時に、ママならナチュラルにそれを言ってしまえるだろうと思った。
遠い未来であることを願うけれど
ママともいつかバイバイする日が必ず来るね。
いつか来るであろうその日のことを
頭の中のスクリーンに映してみる前に
もうすでに涙が出るよ。
涙を流す度
私にとってどれだけ大切か
そばにいることは当たり前じゃないことに気付く。
何かを想い涙するいくつかの夜の私の様子は
人に見せられないほどかっこが悪い。
けれど最近気づいた自分の愛おしいところ。
生まれたときに与えられた沢山のものを
人のせいにしたり
憎んだり
そんなことをしてきたけれど
これからは
もうすでに与えられている素敵なものたちと
見つけた好きを
すり合わせてゆく
ママのファッションそのものよ
ママとは違う服を着て、生きていく
どうも気づかせてくれてありがとう。
只今も生活を楽しみながらも自分のことに、お仕事のことに、お家のことに奮闘中のママを見ながら、先月家庭を持った私もこれからさらにせまりくるドタバタを予感する。
さらにアートとヒトが生き通うcarleerouを計画中です。
おたのしみに。